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給湯器の法定点検は必要?具体的な点検内容や時期と費用までご説明

給湯器の法定点検は、設置から9~11年の間に1度行う点検です。給湯器のなかでは、石油給湯器が対象です。本記事では、給湯器の法定点検に関して紹介する他、各給湯器メーカーが行う「あんしん点検」との違いも解説します。

給湯器の法定点検は必要?具体的な点検内容や時期と費用までご説明

給湯器のなかには、経済産業省が定めた「法定点検」が必要な製品があります。法定点検の通知は、時期が来ると給湯器メーカーから届くため、通知を受けてはじめて法定点検の存在を知った方も多いのではないでしょうか。

また、法定点検は、事業者に依頼して行う通常の点検とは違うため、内容や費用などが気になる方もいるでしょう。

本記事では、給湯器の法定点検に関して紹介する他、各給湯器メーカーが行う「あんしん点検」との違いも解説します。

給湯器の法定点検は事故を防ぐためにある

法定点検とは、経済産業省によって定められた「長期使用製品安全点検制度」に基づく点検のことです。

経年劣化によって火災や死亡事故などの重大事故を起こしうる製品(特定保守製品)に対して、事故を未然に防ぐため、購入した製品のメーカーが行います。

特定保守製品には、安全に使用できる期間の基準として「設計上の標準使用期間」が定められており、所有者登録すると、設計上の標準使用期間が終了するころに法定点検の通知がメーカーから届きます。

現在(2024年5月時点)、特定保守製品に該当するのは「石油給湯器」と「石油ふろがま」の2つです。そのため、石油給湯器を所有している方は、通知が届いた場合に法定点検を受ける必要があります。

給湯器の法定点検は義務ではない

石油給湯器を安全に利用するには法定点検を受けることが必須ですが、法定点検は「義務」ではなく「責務」です。そのため、法定点検を受けなかったからといって、何かしらの罰則があるわけではありません。

ただし、法定点検は事故を防ぐためにも必要な点検なので、通知が届いた際は受けることをおすすめします。

なお、近年は石油給湯器の法定点検を装い、高齢者を中心に高額な請求を行うトラブルが増えているので注意しましょう。もしも、怪しい電話や訪問があった場合は、自治体の消費生活センターなどに相談してください。

法定点検の内容

石油給湯器の購入から法定点検を受けるまでの大まかな流れは、以下のとおりです。

  1. 石油給湯器の購入時に法定点検の説明を受ける
  2. 所有者登録する
  3. 法定点検の通知を受け取る
  4. 法定点検を申し込む
  5. 法定点検の実施

法定点検を受けるには、所有者登録が必要です。販売店や給湯器メーカーは、購入者への法定点検に関する説明義務があるため、石油給湯器を購入した際は必ず所有者登録が必要な旨が伝えられます。

所有者登録すると、設計上の標準使用期間が終了するころに法定点検の案内が届くので、所定の方法でお申し込みください。法定点検は立ち会いが必要なため、予定の入っていない日を点検日に指定すると良いでしょう。

なお、点検の結果、石油給湯器に破損や不具合が見つかっても、継続使用や交換、修理は所有者の判断となります。

点検時期

法定点検の時期は、設計上の標準使用期間が終了するころです。一般家庭向けの石油給湯器は、設計上の標準使用期間が10年と定められており、製造から9~11年の間に法定点検を1度受ける必要があります。

所有者登録を行っていれば給湯器メーカーから郵送やメールで通知が届くため、所有者が明確な時期を覚えておく必要はありませんが、通知が届いた際は必ず法定点検を受けましょう。

点検内容

石油給湯器の法定点検では、10項目以上の省令基準と各給湯器メーカーの独自基準をあわせた約30項目の点検が実施されます。例えば省令基準には、以下の点検項目があります。

  • 燃焼制御装置の状態
  • 排気筒や給排気筒の先端の設置状態
  • 機器と排気筒や給排気筒先端周辺の可燃物の有無
  • 機器と排気筒や給排気筒の接続部の状態
  • 対震自動消火装置の状態
  • 機器と燃料配管の接続部の状態
  • 機器の燃料通路部
  • 水通路部の状態
  • 燃焼状態
  • 機器の外観

石油給湯器の点検時間は給湯器メーカーによって異なりますが、60分程度で完了するケースが多いです。

また、点検後は、担当者から点検結果が記載された書面を受け取ります。項目ごとに適合・不適合が記載されており、点検の結果を踏まえて継続使用や交換、修理の判断ができます。

なお、不適合は事故リスクの高さを意味するため、安全を考えるのであれば交換や修理の依頼がおすすめです。不適合項目の数や今後を考えて、給湯器の買い換えを検討するのも良いでしょう。

点検料金

石油給湯器の所有者は法定点検を受ける責務がありますが、点検は無料でなく有料です。そのため、法定点検の費用は石油給湯器の所有者が負担をしなければいけません。

費用の主な内訳は、以下のとおりです。

  • 出張費
  • 点検技術料
  • その他諸経費
  • 消費税

法定点検にかかる費用は給湯器メーカーによって異なりますが、法定点検のみであれば1万円前後が相場です。法定点検の費用は各給湯器メーカーの公式サイトで確認できます。

なお、法定点検の結果、修理や部品の交換が必要な場合は、上記の費用に追加で修理費や部品代がかかるので注意しましょう。

「あんしん点検」と法定点検の違い

あんしん点検とは、各給湯器メーカーが推奨する有料の自主点検です。あんしん点検と法定点検の主な違いは、以下のとおりです。

点検名称 あんしん点検 法定点検
内容 法定点検と同基準 省令+給湯器メーカー独自の基準
時期 いつでも 製造から9年~11年
対象給湯器 石油給湯器以外も可能 石油給湯器のみ

あんしん点検は給湯器メーカーが独自で行う点検のため、法定点検とは違い、省令基準が決まっているわけではありませんが、長期間使用している給湯器の安全確認が目的のため、法定点検と同等の基準で実施されます。

また、法定点検では時期や給湯器の種類が限定されますが、あんしん点検では時期や給湯器の縛りがないことも大きな違いです。

そのため、法定点検の対象外となるガス給湯器を長年愛用している方や、法定点検以降も継続して同じ石油給湯器を使用している方などには、あんしん点検をおすすめします。

まとめ

石油給湯器の所有者は、設置から9~11年の間に1度、法定点検を受ける必要があります。

法定点検は義務ではありませんが、未然に重大な事故を防いで、安全に給湯器を使用するための点検です。そのため、特別な理由がないのであれば受けたほうが良いでしょう。

また、法定点検の結果、給湯器に不具合が見つかっても、継続使用や交換、修理の判断は所有者ができます。場合によっては買い換えのほうが手間や費用を抑えられるので、法定点検を機にガス給湯器の導入を検討するのもおすすめです。

クラシアンでは、ガス給湯器の販売・交換、点検に対応しており、電話相談やお見積もりは無料です。ガス給湯器の導入をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。

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