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エコジョーズとエコキュートの違いは?それぞれの特徴とメリット、交換費用も紹介
【クラシアン】省エネタイプの「エコジョーズ」と「エコキュート」の特徴やメリット、交換時の注意点、交換費用を比較してご紹介します。どちらが自分に向いているかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

「エコジョーズ」と「エコキュート」は、光熱費の節約効果が期待できる給湯器です。CO2の排出量も少なく、環境に配慮した給湯システムとして注目されています。この記事では、従来型ガス給湯器との違いやそれぞれの特徴、エコジョーズとエコキュートの交換にかかる費用をまとめています。ぜひ検討の際、参考にしてください。
Table of Contents
エコジョーズとエコキュートの違い
エコジョーズとエコキュートは、どちらも省エネ性能の高い給湯器ですが、お湯をつくる仕組みなどの大きな違いが4つあります。それぞれの特徴を理解し、ご家庭に適したものを選びましょう。
- お湯をつくる仕組み
- 初期費用とランニングコスト
- 設置スペースと環境条件
- 水圧や湯切れのリスク
お湯をつくる仕組み
エコジョーズとエコキュートは、どちらも環境に配慮した給湯器ですが、お湯のつくり方が異なります。
エコジョーズは、ガスを燃焼させてお湯をつくる仕組みです。従来のガス給湯器との大きな違いは、排気熱を有効活用する点にあります。通常のガス給湯器では、燃焼時に発生する高温の排気熱はそのまま排出されてしまいますが、エコジョーズは排気熱を再利用し、より少ないガス量で効率的にお湯をつくります。
エコキュートは電気を使用しますが、電気ヒーターではなく、「ヒートポンプ技術」を活用してお湯を沸かします。ヒートポンプとは、空気中の熱を取り込み、その熱を圧縮して高温にし、お湯をつくる技術です。少ない電力で効率的にお湯を沸かせるため、エネルギー消費を抑えられます。
初期費用とランニングコスト
給湯器を導入する際には、初期費用と日々の使用で発生するランニングコストの両方を考慮する必要があります。
初期費用
エコジョーズは、ガス給湯器の一種であり、従来のガス給湯器に排熱を再利用する機能を追加したものです。そのため、本体価格は従来型と比較するとやや高めですが、エコキュートよりは安く導入できます。
また、エコジョーズとエコキュートの設置には基礎工事や配管工事が必要 で、工事を行うための人件費もかかります。
ランニングコスト
エコキュートは、電気を使いながらも空気中の熱を活用するヒートポンプ技術により、高いエネルギー効率を実現します。また、深夜電力を利用してお湯を沸かすため、夜間に安くなる電気料金プランなら、さらに電気代を抑えられます。 そのため、長期間使用する場合は、エコキュートの方がコスト削減につながるケースが多いです。
一方、エコジョーズはガスを使用するため、都市ガスを使用する地域では比較的安く運用可能ですが、プロパンガス(LPガス)を使用する地域では、ガス代が高いため、エコジョーズのランニングコストが割高になる可能性があります。
設置スペースと環境条件
設置スペースの広さや周辺環境によっても、適している給湯器が異なります。
エコジョーズは、従来のガス給湯器とほぼ同じサイズで、コンパクトな設計です。特に都市部の住宅やマンション、狭小地でも問題なく設置可能なため、スペースに余裕のないご家庭に向いています。
一方、エコキュートは、貯湯タンクを設置する必要があるため、広いスペースが必要です。一戸建て住宅では設置可能なケースが多いですが、マンションや狭い住宅では設置が難しいことがあります。また、タンク内にお湯を溜める仕組み上、周囲の温度変化や設置場所の日当たり・風通しの影響を受けやすい点も考慮する必要があります。
水圧や湯切れのリスク
水圧や湯切れのリスクも、エコジョーズとエコキュートでは違いがあります。
エコジョーズは、必要なお湯を瞬時に沸かす瞬間式の給湯器のため、水道水が熱交換器を通るとすぐにお湯ができます。キッチンやシャワーなど複数の場所で同時にお湯を使用したいシーンでも湯切れしないため、家庭内での使い勝手が良い点がメリットです。
エコキュートは貯湯式のため、一度に大量のお湯を使うとタンク内の湯がなくなり、湯切れを起こす可能性があります。特に冬場はお湯の使用量が増えるため、家族の人数や使用パターンに合わせた適切なタンク容量の選択が重要です。また、エコキュートは水圧がやや低いため、高層マンションなどでは給湯圧力が十分でない場合があります。
エコジョーズの特徴とメリット
エコジョーズとは、潜熱回収型のガス給湯器をさします。従来のガス給湯システムでは捨てられていた排気熱を活用して、効率よくお湯をつくります。給湯器は燃焼する際に200度に近いガスを排出しており、二次熱交換器を用いてその熱を水に伝えて温めておくことで、少ないガスの燃焼で高効率を実現しています。
- 給水された水が二次熱交換器を通る際に排気熱で温められる
- 一次熱交換器でさらに加熱されお湯になる
従来型ガス給湯器とエコジョーズの比較
<効率性>
従来型ガス給湯器では排出するだけの熱エネルギーを、エコジョーズでは再利用し排熱で温めた水をガスで加熱します。そのため、給湯熱効率は従来の約80%から約95%へと大幅に向上しています。
<節約性>
熱効率の向上によって、ガスの使用量は約15%の削減が可能です。また、給湯器の待機電力の削減も期待できます。リンナイのエコジョーズを例に挙げると、従来型ガス給湯器のおよそ5分の1の待機電力です。
<環境性>
地球温暖化の原因となるCO2の排出量を削減できます。メーカーによって削減量は異なりますが、従来型ガス給湯器と比べて給湯熱効率を約15%削減可能なため、環境に配慮した給湯器です。
エコジョーズに交換するメリット
エコジョーズに交換すると熱効率がアップするため、ガスの使用量が少なくなり、ガス代を大幅に削減できます。ノーリツのエコジョーズを例に挙げると、2024年5月時点で年間のランニングコストが約25,900円お得になり、エコスイッチをオンにした場合にはさらに約17,400円の節約が可能です。
初期費用は従来型ガス給湯器と比べると高いですが、ランニングコストはエコジョーズの方が安く、数年の使用で初期費用の差額分の回収が可能な計算です。エコジョーズの寿命が約10年~15年であることを考慮しても、長い目で見るとお得です。
エコジョーズに交換する際の注意点
エコジョーズに交換する際は、設置場所が重要です。従来型ガス給湯器より熱効率が高いため排気温度が低く、より多くの湯気が出ます。湯気は酸性で、アルミサッシなどの金属に触れてしまうと腐食の原因になります。
そのため、隣の家と隣接している隙間などには設置しない方が無難です。最悪の場合は、隣の家のサッシが腐食してトラブルに発展してしまうかもしれません。
また、エコジョーズは排水の配管にも気を配る必要があります。エコジョーズ本体から出る排水は、排気ガス中の水蒸気が結露してできた酸性の水に、炭酸カルシウムなどが混ざったものです。この排水をコンクリートなどに垂れ流しにすると、広範囲に変色が起こってしまいます。
特にマンションのベランダに設置する場合は、隣のベランダの床が変色しかねないため、施工業者とよく相談して排水処理の方法を検討しましょう。
エコキュートの特徴とメリット
エコキュートとは、ヒートポンプで空気中の熱を汲み上げて熱エネルギーに変換する自然冷媒ヒートポンプ給湯器です。熱エネルギーの変換を担うヒートポンプユニットと、つくったお湯を溜めておく貯湯ユニットで構成されています。
ガスを使用せず、少量の電気を使って空気中から熱を得る仕組みには、気体と熱の自然原理が利用されています。
- 気体は圧縮すると温度が上昇する
- 気体は膨張すると温度が低下する
- 熱は高い場所から低い場所へ移動する
エコキュートでは、上記の性質を応用し、次のサイクルでお湯をつくります。
- 空気中の熱エネルギーをヒートポンプで自然冷媒(CO2)に取り込む
- 取り込んだ熱エネルギーを圧縮してさらに高温・高圧にする
- 貯湯ユニットから流れてくる水に熱交換器で熱を伝えてお湯に変え貯湯ユニットに戻す
- 貯湯ユニットにお湯を溜めてキッチンやお風呂などで使用する
- 熱エネルギーを膨張させて自然冷媒を低温・低圧に戻す
従来型ガス給湯器とエコキュートの比較
<効率性>
各ご家庭で異なるお湯の使用量を学習し、必要な分だけのお湯を沸かす仕組みです。あらかじめお湯をつくっておくため、すぐにお湯を使用できて効率的です。
<節約性>
エコキュートは電力使用の多い時間帯を避け、深夜電力で電気代が安くなる時間帯にお湯を沸かします。また、少ない電力で沸かすため経済的にお得です。
<環境性>
大気中の熱エネルギーを取り込むため、使用する電力を削減でき、CO2の削減に貢献します。
エコキュートに交換するメリット
給湯器の交換を検討している場合は、エコキュートに交換すると光熱費を大幅に削減できる可能性があります。
ガス給湯器に比べて初期費用は高いですが、コロナ社の調べによると、従来型ガス給湯器からエコキュートに交換すると、給湯に関わるランニングコストは約3~6分の1まで削減できます。
エコキュートに交換する際の注意点
エコキュートを設置する際は、エコジョーズと同じく設置場所に気をつけましょう。エコキュートは主に夜間に電力を使用してお湯をつくるため、稼働音による騒音トラブルが発生する恐れがあります。静音設計とはいえ、低周波音(普段は聞こえにくい低い音)は、深夜の静けさのなかでは響いてしまいます。
トラブルを未然に防ぐために、隣接する住宅から離れた場所に設置する、騒音や振動の対策を行うなどの配慮をしましょう。
エコジョーズとエコキュートの交換費用
続いて、エコジョーズとエコキュートの交換費用(製品価格と工事費用)をご紹介します。
エコジョーズの交換費用
エコジョーズの製品価格は、メーカーや購入する機種によって異なります。給湯器を選ぶ際は次の項目を確認し、予算に合わせた機能を選びましょう。
<確認事項>
- 給湯器の設置場所:壁掛けタイプか据置タイプ
- 浴槽の穴:ひとつ穴かふたつ穴
<湯はり機能の選択>
- フルオートタイプ:湯はり、保温、追いだき、自動足し湯
- オートタイプ:湯はり、保温、追いだき、手動足し湯
- 給湯専用タイプ:給湯、お知らせ機能のみ
フルオートタイプは配管洗浄の機能も備わっています。湯はり機能は、上から順に多機能かつ便利であり、製品価格も高めです。リンナイやノーリツのエコジョーズを例に挙げると、2025年3月時点でフルオートタイプは40万円台後半、オートタイプは30万円台から40万円台前半です。
また、上記の製品価格とは別に工事費用も発生しますが、施工会社によっては購入と交換をセットで行うと、製品価格の約40%~60%が割引になるケースもあります。
クラシアンで販売しているエコジョーズにも割引があり、標準工事費用を含めた価格を表示しています。また、最短で即日の取付けも可能です。現在の給湯器に急なトラブルが発生した場合も、ぜひご相談ください。
エコジョーズのおすすめ製品をより詳しく知りたい方は、以下のページも合わせてご覧ください。
エコキュートの交換費用
エコキュートもエコジョーズと同様の湯はり機能があり、製品価格はフルオートタイプ、オートタイプ、給湯専用タイプの順に高い傾向にあります。
また、エコキュートは寒冷地では寒冷地向けの製品を、沿岸であれば塩害防止付きの製品など、地域によって選ぶべき仕様が異なります。特殊仕様の製品は高額な傾向ですが、適切なタイプを選択すると、運用コストの削減につながります。
Panasonicのエコキュート(ウルトラ高圧 フルオートタイプ 460リットル 4人~7人用)で比較すると、2024年5月時点で一般地向けはセット希望小売価格が129万円台、寒冷地向けは134万円台です。
上記は最高峰の性能を備えた製品ですが、クラシアンではフルオートタイプを50万円~60万円台で販売しています。また、クラシアンで販売しているエコキュートの製品価格は、現在使用している給湯器の処分費用や標準工事費用を全て含めた価格です。
ただし、状態によっては別途取り替え工事費用が必要となるケースもあるため、詳しくはお見積もりにてご確認ください。
エコキュートのおすすめ製品をより詳しく知りたい方は、以下のページも合わせてご覧ください。
エコジョーズとエコキュートどちらがおすすめ?
最後に、エコジョーズかエコキュートかで悩んでいる方に向けて、それぞれおすすめな人をご紹介します。
エコジョーズがおすすめな人
エコジョーズがおすすめな人は、オール電化に抵抗を感じる方です。エコジョーズはガス給湯器の排気熱を活用して高効率化させた製品で、従来型ガス給湯器と使用方法や注意点に大きな違いはありません。従来型ガス給湯器の使用に慣れている方も、安心してご利用いただけます。
また、エコジョーズはエコキュートよりも初期費用が安い傾向にあります。「ランニングコストを削減したいけれど、初期費用もある程度抑えたい」とお考えの方には、エコジョーズがおすすめです。
コンパクトな設計のため設置場所の確保もしやすいです。都市部の住宅やマンション、狭小地に設置したい方はエコジョーズがおすすめです。なお、設置できるかどうかは施工業者に相談すると良いでしょう。
エコキュートがおすすめな人
エコキュートは、ガス代がかからない、少ない電力で運転が可能、夜間に安くなる電気料金プランに合わせて深夜帯にお湯を沸かしておける点で経済的です。初期費用は高いものの、数年で元が取れるため、初期費用の準備が可能であればエコキュートがおすすめです。
また、エコジョーズと違ってガスを使わず、電気エネルギーと自然冷媒による熱伝導でお湯を沸かすため、ガス漏れや火災リスクが低いです。非常時には貯湯ユニットに溜めてあるお湯を生活用水に使うことも可能です。安全性を求める方にとっても、エコキュートはおすすめです。
まとめ
この記事では、エコジョーズとエコキュートの特徴やメリットと注意点、交換費用を比較しました。
エコジョーズは、潜熱回収型のガス給湯器で、従来のガス給湯システムで使わずに捨てられる排気熱を活用して、効率よくお湯をつくります。一方、エコキュートは、ヒートポンプで空気中の熱を汲み上げて熱エネルギーに変換する自然冷媒ヒートポンプ給湯器です。
初期費用はエコジョーズの方が安いですが、ランニングコストではエコキュートの方が優れています。また、製品の機能や販売・施工業者によっても製品価格は異なります。可能であれば、数社に問合せて見積もりを出してもらいましょう。
クラシアンでは、エコジョーズやエコキュートの販売や交換も行っています。どちらにしようか迷われている方や、設置できるか調べてほしい方、気になる製品や工事に関する不明点がある方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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